アニメーションの未来をつくりたい。このプロジェクトはそんな思いを出発点にスタートしました。4本の作品は、応募16社の中から選抜された精鋭アニメ制作会社が、明日をになう若手アニメーターたちとともに「自分たちの見せたいアニメ」を目ざしてつくりあげたものです。アニメーションは作るのも見るのも楽しい。そんな未来をひらくパワーと喜びを、いっしょに劇場で体験いただければと思います。
日本国内のみならず、海外でも幅広い人気を集めているといわれている我が国のアニメーション。今や、日本を代表する文化の1つとして語られることも多くなりました。そんな華やかさの陰で、制作現場は、制作工程の海外流出、厳しい労働環境や人材育成など、制作環境の持続可能性を危うくする様々な問題に直面しています。
若手アニメーター育成プロジェクトは、そんなアニメ制作環境の問題解決に正面から取り組み、我が国アニメの振興を図ることを目的として、今年度から新たに始まった事業です。このプロジェクトは、オリジナルアニメ作品の制作過程を利用し、オン・ザ・ジョブ・トレーニングによる若手アニメーターの人材育成を行うものです。
具体的には、プロデューサーや監督、アニメーターなどからなる独立第三者委員会の選定・評価委員会が、制作会社から応募のあった企画の中から、主として人材育成の意欲や制作実績などに基づき4社・企画を採択。各社に対し、①制作資金、②実制作を通じた効果的な技能習得の方法論、③トップアニメーターによる技能講座、声優による演技指導、経営者による業界構造・キャリアパスの解説や弁護士による契約・法律講座などの各種講座、④グループミーティングやディスカッションなどが提供・実施されました。制作および育成の過程は、定期的なアンケートやヒアリングによるデータ化と分析を行い、人材育成のノウハウとして蓄積・活用される予定です。
なお、プロジェクトにより制作された作品の著作権は、プロジェクト終了後、各制作会社に帰属。各社により更なる商業展開が行われることが期待されています。