文芸美術国民健康保険組合への団体加盟について
2008年7月13日
無限責任中間法人日本アニメーター・演出協会(以下「JAniCA」といいます。)は、2008年7月9日、JAniCAの文芸美術国民健康保険組合に対する団体加盟が認められたことをお知らせします。
1 はじめに
我が国における約4,500名のアニメーター・演出家のうち、およそ9割が特定の会社等との雇用関係を持たないフリーランスであるといわれています。これらフリーランスのアニメーター・演出家は、被用者負担の少ない健康保険組合ではなく、国民健康保険に加入せざるを得ないことから、いわゆる正社員と比べて不利な立場に置かれています。
JAniCAは、アニメーター・演出家の社会保険の充実を創設目的の重要な柱と位置付け、その実現方法を模索してまいりました。その結果、2008年6月4日、文芸美術国民健康保険組合(http://www.bunbi.com/)への団体加盟申請を行い、同年7月9日の同組合理事会において、JAniCAの団体加盟が認められました。
2 文芸美術国民健康保険組合への加入によるメリット
(1) 低額な保険料
後述のとおり、文芸美術国民健康保険組合の保険料は、組合員の収入に関わらず定額とされています。これにより、一定額以上の収入を有するアニメーター・演出家の場合には、国民健康保険の場合よりも保険料が大幅に安くなります。以下、その概算を例示します。
文芸美術のホームページでも保険料の比較ができます。
世田谷区の保険料は、現年度の住民税が6月に決定することにより、保険料金額の決定および賦課は7月となります。
よって4月から6月までの保険料金額は前年度の住民税より算定されますので、ご注意ください。
なお、40歳以上65歳未満の方がいらっしゃる場合には、下記の保険料に介護保険料が加算されます。
例1:一人暮らし、19年度住民税(特別区民・都民税)200,000円の場合
世田谷区国保の場合:270,900円
文芸美術国保の場合:162,000円
例2:夫婦2人、19年度住民税(特別区民・都民税)200,000円の場合
世田谷区国保の場合:307,800円
文芸美術国保の場合:235,200円
例3:夫婦に子供1人の3人家族、19年度住民税(特別区民・都民税)200,000円の場合
世田谷区国保の場合:344,700円
文芸美術国保の場合:308,400円
例4:夫婦2人、19年度住民税(特別区民・都民税)300,000円の場合
世田谷区国保の場合:424,800円
文芸美術国保の場合:235,200円
例5:夫婦に子供2人の4人家族、19年度住民税(特別区民・都民税)400,000円の場合
世田谷区国保の場合:590,000円
文芸美術国保の場合:381,600円
(2) 予防措置に対する支給等
後に詳述するとおり、人間ドックを受診した際の一部費用負担など、疾病予防に対する支給が受けられます。健康が第一のフリーランスであるアニメーター・演出家にとって、これらの疾病予防に対する支給制度は、非常に大きな意義を有するものと考えます。
(3) 地域による限定がないこと
文芸美術国民健康保険組合には、居住地域による制限がありません。よって、日本国内どこに居住していても、JAniCAの会員であるフリーランスのアニメーター・演出家であれば、加入することが可能です。
3 文芸美術国民健康保険組合の加入要件及びあらまし
(1) 加入要件
文芸美術国民健康保険組合に加入するためには、日本国内に住所を有し、文芸、美術及び著作活動に従事し、かつ、組合加盟の各団体の会員である者とその家族であることを要します。同組合は、全都道府県を指定地域としておりますので、居住地域による制限はありません。
なお、上記要件を満たす場合であっても、法人事業所の事業主、従業員である方々は、健康保険・厚生年金が強制適用となっているため、文芸美術国民健康保険組合に加入することはできません。
また、後期高齢者(75歳以上、または65歳以上75歳未満で広域連合より認定を受けている障害者の方)である家族は加入できず、後期高齢者ご自身が組合員として加入する場合には、組合から保険給付を受けられない特例組合員となります。
(2) 文芸美術国民健康保険組合のあらまし
ア 保険料
組合員の収入に関わらず、一律均等とされています。
(ア)医療保険・後期高齢者支援金分
組合員:1人月額13,500円
(内訳:医療保険分11,500円、後期高齢者支援金分2,000円)
家 族:1人月額6,100円
(内訳:医療保険分4,100円、後期高齢者支援金分2,000円)
(イ)介護保険分
満40歳から64歳までの被保険者:1人月額2,400円
イ 医療費の負担
自己負担は、組合員・家族とも3割
就学児未満は2割、70歳以上の方は1割、または3割
ウ 疾病予防に対する支給
(ア)75歳未満の方が人間ドックを受けたとき(1人年度内1回)
組合員:31,000円以内 家族:23,000円以内
(イ)満50歳の方が人間ドックを受けたとき(1人年度内1回)
組合員:45,000円以内
※(ア)及び(イ)は、組合加入後1年以上の継続が要件。
また、受診時に東京都在住の方については、補助額に4,000円が増額されます。
(ウ)特定健康診査・保健指導(1人年度内1回):40〜74 歳の被保険者
特定健診1 件につき8,000円以内、保健指導1 件につき14,000円以内
(エ)75歳以上の方が健康診断を受けたとき(1人年度内1回)
特例組合員12,000円以内
エ 出産育児一時金
1件につき350,000円
詳細につきましては、文芸美術国民健康保険組合ホームページ(http://www.bunbi.com/)をご覧頂くか、電話(番号:03−5807−3551)にて、お問い合わせ下さい。
4 今後の手続について
JAniCAは、今秋までを目処として、できる限り早期にJAniCA会員の文芸美術国民健康保険組合への加入手続を開始するため、今後の準備作業を行ってまいります。加入手続が行えるようになり次第、改めてJAniCAホームページ(http://www.janica.jp)、メールマガジン等による告知を行う予定です。
以上