■〜デジタル作画・演出研究〜沓名塾 in JAniCA

『〜デジタル作画・演出研究〜沓名塾 in JAniCA』アフターレポート

去る12月4日に中野サンプラザ、西館8階研究室1にて行われました、 『〜デジタル作画・演出研究〜沓名塾 in JAniCA』の模様です。


会場は駅最寄りの中野サンプラザ


会場の準備をするスタッフ


会場はほぼ満員、開始を待つ講師の山下氏と沓名氏


持参のPCのデータを表示して、質問に対して解説


受講者から真剣な視線が注がれる


第2部からはゲストとして井上俊之氏が参加


映像を交えての濃いやり取りが行われた


長時間の講義にも関わらず、多数の受講者で賑わいました


冬の寒さが本格的になって来た師走の頭に、 『〜デジタル作画・演出研究〜沓名塾 in JAniCA』が中野サンプラザで開講されました。 告知後すぐほぼ満席になる盛況で、受講者の期待を感じられる講演になりました。

第一部は、申込時に寄せられた質問に答える形式で、説明の幾つかを、PCの画面を映写しながらの講義になりました。

<質問例(抜粋)>
・FLASHを作画に用いる理由。FLASHの利便性。
・FLASHで、ラフ画以上の仕上げの線が描けるのか。
・1コマ2コマ3コマ作画はどのように使い分けているか。
・紙の方が優れている点はあるか
・繊細な演技に対応可能なのか。
・ひと月に何カットくらい描いているのか。
・デジタル作画は現在の現場では抵抗を持たれてしまうことがあると聞いたが、そのあたりどのように考えているか。
・FLASH以外のソフトは使わないのか。

こう云った質問が一つ一つ説明されていきました。

休憩を挟んだ第2部では、ゲストの井上俊之さんとの対談形式になりました。
ここで出た話を抜粋すると、
・タブレットを使う作画に関して、井上さんはどう思っているか。
・動きを描く側からチェックできることで、誰もがうまくなれるものかどうか。
・今、タブレット作画を必要としているのはどのような層か。
・ロトスコープでの作画で得られるものとは。
・今まで実際の現場で(FLASHを)使われる場合、具体的にどのような問題が発生して来たか。
・今後どのような使われ方が構築できるか。
ーといったことが、取り上げられ、互いの意見が交わされる対談になりました。

会場の受講者の方からも、
FLASH以外の、 より2Dアニメに特化したソフト (例:TVPアニメーション)もある。
・プログラマーの立場から見て、現状でアニメーター・演出が必要とされるソフトを作る事は、 (金額をここで責任をもって語れないが)難しい事では無い。
・(そのようなソフトが作られれば)演出の方でも大変役に立つ。

などなど、講演の枠を超えて話が広がり、今後の展開も興味深い講演になりました。

※参加したみなさんの感想(抜粋)

・刺激的な内容で面白かったです。が、欲を言えば見せるべき映像をもっと決め込んで沢山見せて頂けたら良かったです。
・勉強になりました。今後の日本のアニメがどう発展していけるか、可能性を観ることができたと思います。
・今までデジタルアニメーターに対して思い込みがあったので、それが解決できたので良かった。
・ぶっちゃけ後半つまらなかった。お金を払っているのでリスクを背負って欲しかった。
・質問者の声が聞こえなかったので、次回はマイクをきちんと用意して頂きたいと思いました。アナログ、デジタルに共通している技術的な根底は同じなのだと云うのが大変目からウロコだった。
・FLASHの作画技術書をJAniCAで企画してほしい。
・何より講師の作業スピードに驚いた。デジタル作画の1番の利点は、その効率だと思った。
・アニメの仕事に就く前段階でやっておかなければならないことが見えて来た気がしました。
・仕事でQ・チェッカーを使うことが多いのですが、描いてすぐ動きを確認できると云うのは、より魅力的だと思いました。
・1/3は井上さんの説教だと思いました。でも面白かったです。
・1部のデジタルの話もためになり、FLASHをさわってみようと思いました。2部の内容も興味深く、井上さんの話がすごく面白くて、もっと聞きたかったです。またぜひこの様な講義をやって頂きたいです。
・沓名さん、山下さん、井上さんの掛け合いが楽しかったです。
・デジタル化については、原画マンの変化だけでなく、制作、製作全体の協調が必要なんですね。現状はよくわかりました。


最後に、本講義実施にあたり使用許諾をいただいた関係各社様にお礼申し上げます。

参加 正会員:9名、無料正会員:32名、賛助会員:1名、一般:17名、関係者:3名