「レイアウトのためのカメラ講座」(第5回)アフターレポート
秋になってはっきりしない天気が続いています。
この日も時々小雨がパラつく事がありましたが、撮影実習には支障はないと判断して、『レイアウトのためのカメラ講座』を開催しました。
その様子をレポート致します。
場所は秋葉原のJAniCA事務所。
午前と午後の2回、受講者の人数を分けての講座になります。
今回も講座に必要なカメラ機材をキヤノンEOS学園様からJAniCA事務所に借り受けての開催です。
キヤノンEOS学園様、ありがとうございました!
カメラの他には配布資料、そして今回もスポーツファインダーが各机の上に用意されています(この写真は午後の部の写真です)。
今回も講師は、キヤノンEOS学園インストラクターの谷尻正弥さんにお願いしました。
つまりアニメの現場の方ではない、実際のカメラ撮影の教育の専門家にお願いして、客観的にカメラの知識を教えて頂く講座です。
まず午前の部、カメラの扱い方が説明されています。
必ずしも普段からカメラを使い慣れている方ばかりではないので、実際にカメラを扱いファインダーを覗いて画像を見てみる事が、今回の講座で重要な要素になります。
屋外でのカメラ実習の前に、カメラの基礎知識の座学があります。
ここではレンズの焦点距離と画角、センサーのサイズについての説明がなされています。
座学でのカメラの基礎知識を一時間程学んだ後、屋外での実習に移ります。
皆んなで移動しての撮影実習です。
この場所での撮影の対象は建物の並びで、その奥行きを撮影する指示がなされています。
橋の上からの撮影です。奥まで開けた場所でどのようにパースが付くかを見てもらっています。
カメラの使い方、アングルの取り方など、受講者の方に実際にカメラを操作して撮影してもらっています。
合間合間に、受講者の方へ谷尻先生が撮影のポイントを解説されています。
見上げて撮影されている方がいますね。建物のアオったときの見え方を確認されているのだと思います。
屋外撮影も一時間ほどで午前の部は終了です。一度事務所に戻って解散となります。
皆様、お疲れ様でした!
昼食の時間を挟んで午後の部になります。
今回の講座では午前の部の受講者は6名、午後の部も6名でした。
午後の部も同じ様にまず座学です。
カメラの使い方の説明がなされています。
これは広角から望遠までのレンズで、同一の被写体を同じカメラ位置から撮影して、その効果を比較した画面の説明です。
一時間ほどの座学の後、屋外撮影の実習です。
午前中と同じ場所の橋の上から撮影してもらっています。
レンズを変えて撮った場合、どのようにパースが付くかもこの撮影のポイントです。
橋の上から川沿いに見た光景です。
広角レンズと望遠レンズを交換して撮影してもらっています。
奥のカメラが望遠レンズだと思います。
中間のカメラのレンズが伸びているので、望遠側のズームを使われているのが分かります。
手前のレンズは広角レンズですね。広角レンズを使ってアオリ撮影しているのが分かります。
谷尻先生は午後の受講者の方へも丁寧に撮影のポイントを教えられていました。
受講者の皆様、そして谷尻先生、お疲れ様でした!
講義内容
◯座学
・レンズ用語:「焦点距離」「画角」
・カメラの位置を固定して、レンズ交換しながら撮影
・50oレンズを「標準レンズ」と呼ぶ理由
・レンズの種類
・(参考)「センサーサイズによる焦点距離の違い」
・パースペクティブ(遠近感)
・焦点距離による写りの違い
・アングルによる写り方の違い
・広角を使いこなして「遠近感」を強調!
・望遠を使いこなして「圧縮効果」を強調!
・(参考)フレア
・(参考)ゴースト
◯屋外での撮影実習
・街の中の各ポイントを実際にカメラ撮影する。その上でどのような画面になったか確認する。
※アンケートで寄せられた感想(抜粋)
・新人にこういった講座を受けさせるべきだと思うが、今の業界では無理だろうし、小さい動きでは業界は変わらずゆるやかに死ぬ未来しか見えない。
・非常に楽しく、また勉強になりました。実際、レンズを変えて、見え方が変わるのを体験できて良かったです。
・座学では言葉の説明がわかりやすかったです。実戦はもっとレンズを細かに変えてじっくり試してみたかった。広角、望遠レンズは使ったことがなかったので、さわれて良かったです。
・業界の仕事量(作品数)や実力のバランス、今後の若手、新人への指導についてなど、意見交換がしてみたい。
・今まで、焦点距離、画角などを意識してこなかったので、講師の方の丁寧な説明により、多少意識できる様になったかと思います。
特に望遠=糸巻き型の(レンズの歪みの)構造は全く意識してなかったので、大変勉強になりました。ありがとうございました。
・画角を見て、その効果について、新しくわかることがあり、意図して画面を作っていく手がかりにできるのではと期待が持てました。
・カメラの基礎的な知識から、自由に撮るところまで教えて頂けたのでとても良かったと思います。
・実際に超広角と望遠のカメラを使って実習できたのが良かった。演出的な内容まで聞けたのが良かった。
・パースの知識といっても、教本で得られるものばかりで、実際に即した見え方との関連性がいまいち掴めなかったのですが、今回の体験も含めて学ぶことができたので、画作りに生かすきっかけを得ることができたと思います。
・とてもわかりやすかったです。
・たくさん情報があるにも関わらず、伝わり方が良くないので、何かしら大きな公式サイト・アカウント的な中心地があれば便利なのになあと思います。
・アニメーターの問題もありますが、いろいろな会社を見て、制作進行の仕事も教育しないとまずいと感じています(相手に対する対応含め)
・『被写体を決めてから、背景の収まりを考える』という考え方はとても参考になります。
・今日、カメラを学ぶのは初めてだったが入門編としてちょうど良かった。
谷尻先生、今回もありがとうございました。
そして皆様、講座の受講、感想、御意見ありがとうございました!
☆参加 正会員:1名 無料正会員:4名 賛助会員:1名 一般:6名