■レイアウトの歴史講座

「パース・レイアウト講座 歴史編(第8回)」アフターレポート

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さる10月17日から11月21日にかけて、パース・レイアウト講座 歴史編(第8回)がネット配信で開催されました。そのアフターレポートをお送りします。

昨年に引き続き、今年も新型コロナの影響を考慮して、この歴史編の講座もリモート配信で開催しました。
他の講座のメインの講座は、去年の録画を配信したのですが、歴史講座では去年の映像は音声に問題があり、改めての再録画となりました。
一方で、去年リモート用にこちらで作成した画像をPC上で見失ってしまい、今回は使用できませんでした(講座後、見つかりましたが…時既に遅しです)。
私の不手際です。誠に申しわけありません。

アンケートの方で、本講座はやはり実際の映像と共に行うのが重要なポイントであるとの指摘も頂いています。
誠にその通りと思います。
来年どの様な開催になるか現時点では未定ですが、反省点を振り返りつつ、何とか今後に生かしていきたいと思います。

またその一方、今回は追加講座を行うことで、Q&Aや、いつも省きがちになるテキスト関係の説明、そして『目で見ることとは何か 画像的知覚と触感的知覚について』をお話しできました。
リモートということもあり、伝わったかどうかの手応えはちょっと分かりませんが、こういった補完的講座も、今後追加して行けたらと思います。


内容とは別に、今回は設備的にはほぼ完成された状態でリモート配信をお届けできました。
そのリモートのために会場に設置された諸々の設備です。


下の写真手前が私が使った設備です。このような機器を使って配信していました。


来年も配信で行うかどうかは未定ですが、このシステムは今後色々と活用されるものと思います。

◯講座全体の構成

●レイアウト空間の歴史的ポイントになる作品の解説
1;舞台的構図の時代(一方で取り入れられる透視図法とキャラクターデッサンによる空間の明示)
2;キャラクターのための独特の空間の発生・発達
3;キャラクター自身の空間描写・アクション描写の空間の発達
4;都市描写の精緻化と透視図法描写・レンズ的描写の発達
5;キャラのデッサン描写・透視図法描写・レンズ描写の空間の精緻化
6;マンガ・アニメキャラの世界への透視図法描写・レンズ描写の浸透とその発達
7;表現の幅の例としてー広角描写に振り切っている作品、望遠描写に振り切っている作品の解説
●テキストを使った解説
平面構成、キャラクターのための空間造りの基本的手法、透視図法でない遠近法の紹介、画角の問題、上下方向のパースの調整の問題、無意識ズームの仮説等々
●追加講座
・Q&A
・テキストを使った解説の補講
・目で見ることとは何か 画像的知覚と触感的知覚について

※アンケートに寄せられた感想・リモート開催についての御意見

◯講座の感想

・資料が素晴らしかったです。
これを更に漆塗りのように積み重ねていくことである程度レイアウトを体系立てすることはできるかもしれないと思わされました。
・疑問に思っていた事や、いまいち踏み込みきれなかった知識を深掘りしていただけたのでとてもタメになる講座でした。
・初めて参加しました。笹木さんの配慮ある話し方で、非常に心地良く聴くとこが出来ました。まだまだ、お話を聞きたいところでした。後半の講座で使う予定でした、配布資料6〜11の資料を全部使わないで終わってしまいましたので、自分で読んでおけばいいとは思いますが、可能な限りで構いませんので、Q &A+追加講座の際にお話ししていただけると嬉しいです。奥は望遠、手前は広角という考え方が主流になっていると思うますし、広角に描いた方がかっこいい!広角に描けないと下手くそだ…と素直に思ってしまう反面、実際の肉眼では見えているわけではなく、ごまかしだったり、逃げに思えてしまう…と考えたりもします。本日は、長時間にわたってありがとうございました。
・アニメ業界の歴史や成り立ち、表現方法の推移など調べて何となく理解していただけだったことが、実際にその時代を経験してきた方から直接聞けたことでより理解、興味を持つことができ良かったです。
・映像資料の配信状況も事前資料に付加してほしい
・レイアウトの歴史をもっといろんな方向から考察したものを期待していました。
レイアウトの実践的な部分に関してはもっと具体的なシチュエーションであれば有効だったと思います。

◯ネット配信の感想

・どこの地域でも参加できるし、録画もあって見返せるので、良いと思いました。
・遠隔地においても受講できるというのは大変素晴らしかったと思います。これによって受講できるハードルが下がったのでコロナ禍という災禍が過ぎ去ったとしても引き続き配信という選択肢は残していただけると助かります。リアル受講+配信受講の2本立てになるとよりライブ感が出て面白いものになるかもしれません。宣伝次第では受講人数ももっと増えるのではないかと思いました。
・対面の場合は現地に向かうのは難しかったのでネット配信のおかげで聴講することができました。ネット配信でよかったです。
・家で講座を聴くことで、わからないことばがあったら国語辞書を引いたりしながら聞きました。
・参考を絞って時間を抑える方向が良いのでは。
・現地での受講と比べて不便な点はありましたが、自宅から参加できる、PCで気になったことを調べつつ進められる、見返せるなど利点が多くあると感じました。
・観る側も長時間拘束されるので 再配信の時にタイムインデックスがあると便利です
・時間に縛られないのでとてもよかったですが、実映像を使えないのは今回は厳しかったです

◯自由記述

・色々ありますがシンプルに言わせていただくと業界外との交流をより増やしていくことで表現だけではなく様々な知見を得られるので業界がもっと開けていって欲しいですね。
・以前にカメラ講座を受講しましたが、人間の眼の仕組みについても興味があります。カメラのレンズと、肉眼の違いを勉強してみたいです。東京会場の高見先生のクロッキー会では、寝ポーズもありますので、こちらで圧縮の描き方(難しいです!)を頑張りたいと思います…。会員通信いつもありがとうございます。
・大変勉強になることが多く、今回の機会を設けていただき感謝しております。また参加できる講座が開催されるのであれば応募させて頂ければと思います。ありがとうございました。
・実写撮影監督を招聘してこの画面はこう撮影した などの講義があればより実践的かも。


皆様、長時間の講座の受講お疲れ様でした。
そして感想・御意見ありがとうございました!

参加 正会員・無料正会員:19名 一般:24名 業界会員:1名 賛助会員:1名