■「無限責任中間法人日本アニメーター・演出協会」法人化手続を完了

「無限責任中間法人日本アニメーター・演出協会」法人化手続を完了

日本アニメーター・演出協会(JAniCA)の運営委員会より、
(1) JAniCA法人化手続完了のご報告
(2) JAniCAの目的と今後の活動方針
について、ご報告いたします。

(1) JAniCA法人化手続完了のご報告

 JAniCAは、2008年5月30日、「無限責任中間法人日本アニメーター・演出協会」 として、法人化手続を完了し、法人となりました。

 無限責任中間法人とは、中間法人法に基づく法人格を有する社団です。株式会社等と同じように、それ自体が契約を締結し、財産を保有・管理することができます。
 中間法人の特徴は、「社員に共通する利益を図ることを目的とし、かつ、剰余金を社員に分配することを目的としない」(中間法人法第2条第1号)ことにあります。
 つまり、営利を目的とせず(株式会社との相違点)、かといって広く社会一般の利益を目的とするわけでもない(NPO法人法第1条、2条参照)ということです。

 法人化に際して、従来表明してきたNPO法人ではなく、中間法人を選択した理由もここにあります。JAniCAの目的は、次項でご紹介するとおり様々ですが、究極的には「アニメーター・演出の経済環境の改善を実現する」ことにあります。このような「アニメーター・演出の利益」は、「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与する」というNPO法人の活動目的(NPO法人法第2条第1項)と合致しないのです。

 また、法人化の理由は、文芸美術国民健康保険への加入や、人材紹介業務、資格取得、作品制作、行政からの支援を受けての各種研究などについて、法人格を有することが必須条件とされることにあります。

 なお、中間法人法は、本年12月1日をもって廃止され、中間法人は新たに創設される一般社団法人に移行されることが予定されています。したがって、JAniCAも本年12月以降、一般社団法人に移行することとなります。

 中間法人は、法律上の「社員」により構成される社団です。JAniCAに関する責任は、全て社員が負うことになります。現時点の社員は、代表の芦田と副代表の宇田川の2名のみです。法人の中における皆様、会員の位置付け等については、近日中に開催予定の会員総会において素案を検討し、会員の皆様の承認を経た上で、定めたいと考えております。

(2) JAniCAの目的と今後の活動方針

 JAniCAが発足した後、具体的な活動をほとんどお伝えすることができず、会員の皆様にはご心配をおかけしました。まだ明確なロードマップができたとまではいえませんが、運営委員会の考えているJAniCAの目的と手段についてお伝えします。

■目的■
 「アニメーター、演出家の地位・生活向上を目指す」
 将来的には(アニメーター・演出家だけでなく)アニメクリエーター全体の代表
 団体となることを目指す。

■目的達成のための手段■
 ・法人化
 ・業界の本格的な大規模実態調査
   アニメ製作スタジオの数・規模、クリエイターの定着率、収入、労働時間等
   4月中旬に予備調査終了
 ・アニメーションの質向上およびアニメーター・演出の技術向上、知識技術の継承
  ・パース講座等、プロ向け講習会の運営
  ・若手育成のための専門養成塾の運営
 ・職業としてのアニメーション業界への啓蒙活動
  ・学生や一般人向けへの啓蒙活動
 ・実験的かつエンタテイメントであるアニメーション作品の製作
   企画・製作・配給などについても調査研究および実証実験をしながら行う
 ・JAniCAアワードの創設と運営・発表
   作品に対する制作サイドから見た表彰
 ・文芸美術国民健康保険組合への加入の検討
 ・人材の紹介業務
  ・アニメ業界への就職希望者と企業とのマッチング活動
  ・イベント、講演、講師などへ人材を斡旋
  ・制作会社の人材募集への対応
  ・各種免許、資格の取得
  ・人材斡旋のためのシステム化
 ・制作者業界団体としての影響力の向上
  ・日本のアニメ産業を守り制作環境の改善を実現するため、諸方面へ働きかける
  ・アニメ事業従事者の現状調査による体制改善手法の検討・実現
  ・作品事業利益のスタッフ配当制度の調査研究活動
  ・各種広報活動(各種メディアへの対外対応)
 ・アニメーション製作者データベースの作成と公開
  ・データベース構築中

■法人化後の支出予定■
「目的」実現のために下記プロジェクトの活動原資については、少なくとも当面の間、会員の皆様及び関係者・関係会社に対する寄付のお願いに頼ることとなります。

 (1) 団体設立のための事務経費
   印鑑証明取得、基金払込金保管証明書取得、登録免許税額、申請手数料等
 (2) 団体運営のための経費
   登記住所の賃借料、電話代等の通信費、事務経理人員への給与等
 (3) 説明会、勉強会、交流会の実施に伴う経費
 (4) 調査に伴う事務経費
 (5) 各種他団体への打合せ等に付随して発生する交通費等
 (6) その他「目的達成のための手段」を実現するための活動費

■事務局の運営方針■
 ・常駐スタッフは最小限にとどめ、常にスリム化を目指す。
 ・会の経理状況はガラス張りにする。
 ・会に特定の思想、宗教、主義を持ち込まない。
 ・個人又は団体の営利(マルチ商法・保険営業等)に利用しない。

【参考リンク】

 中間法人法
 http://www.ron.gr.jp/law/law/chukan_h.htm

 NPO法人法(特定非営利活動促進法)
 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H10/H10HO007.html

 文芸美術国民健康保険組合
 http://www.bunbi.com/index.html