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アニメ制作に業として従事する個人を対象とした労災保険の特別加入について

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プレスリリース: アニメ制作に業として従事する個人を対象とした労災保険の特別加入について(pdf形式)

一般社団法人日本アニメーター・演出協会
代表理事 入江 泰浩

 今般「労災保険 「芸能」「アニメ制作」従事者など特別加入認める」(2020年12月8日NHK)等、アニメーター・演出をはじめアニメ制作に仕事として携わるフリーランス等について、新たに労災保険の特別加入が認められることとなったと報じられたことについて、下記のとおり、ご案内申し上げます。

 労災保険は、労働者の業務または通勤による災害に対して保険給付を行う制度であり、本来、フリーランス等の個人事業主を対象とされておりません。しかし、労働者以外でも、業務の実情などから、労働者に準じて保護することが適当と認められる一定の個人事業主(注1)には、特別に任意加入が認められています(特別加入制度)。

 JAniCAは、アニメーター・演出をはじめ、アニメ制作を仕事とする方々(アニメ制作従事者)の約7割以上がフリーランス、個人事業主であるところ(注2)、アニメ制作現場の環境を改善し、日本におけるアニメーションの持続的な発展可能性を高めるべく、国民健康保険組合への団体加入や定期健康診断の実施、フリーランス協会を介した賠償責任保険や所得補償保険など、アニメ制作従事者を対象とした社会保障の充実、セーフティネットの拡充に努めて参りました。
 本年6月29日、厚生労働省の「労災保険制度における特別加入制度の対象範囲の拡大」に関するパブリックコメントに際し、JAniCAは上記の観点からアニメ制作従事者を対象とする対象範囲の拡大を要望。同年9月5日「アニメ制作者の「ケガや事故」に関する調査」を実施。短期間にもかかわらず、85人もの方々からご回答をお寄せいただき、同月26日に報告書を公開しました(注3)。これらの結果を踏まえ、同年10月19日には労働政策審議会(労働条件分科会労災保険部会)第90回「特別加入制度の見直しに係る関係団体からのヒアリング」において、アニメ制作事業者の状況を説明し、「アニメーター及び演出等、アニメーション制作事業者」を特別加入制度の特定業種に加えていただくよう、改めて要望を行いました(注4)。その結果、同年12月8日、同審議会第92回で芸能従事者等と合わせ、新たにアニメ制作従事者を労災保険の特別加入制度の対象とすることが合意されました。

 労災保険は、仕事や通勤に伴う災害(負傷、疾病、障害または死亡)について、民間の保険よりも低廉な対価で、充実した保障(療養補償、休業補償、障害補償、傷病補償年金、遺族補償、葬祭料、介護補償など)を受けることができます。労災保険の特別加入には、特別加入団体を通じて行うことが必要です。JAniCAは、労災保険の特別加入制度について、アニメ制作従事者の特定業種への追加が実現した暁には、特別加入団体として求められる責務を果たすべく、引き続き厚生労働省その他、関係各所との調整に努めて参ります。

 なお、アニメ制作従事者について、労災保険の特別加入制度の運用が開始される際は、JAniCAのホームページや会員通信などを通じて、改めてご案内させていただきます。

以上

本件に関するお問い合わせ先:
〒101-0032
東京都千代田区岩本町3−6−8 川野商事ビル2階
一般社団法人 日本アニメーター・演出協会
事務局長 大坪英之 E-Mail:ohtsubo@janica.jp


(注1)個人タクシーや個人貨物運送業者、土木・建築のいわゆる一人親方、漁師など

(注2)JAniCA「アニメーター実態調査2019」
http://www.janica.jp/survey/survey2019_report.html

(注3)JAniCA「アニメ制作者の「ケガや事故」に関する調査 報告書」
http://janica.jp/survey/IndustrialAccident.pdf

(注4)同審議会第90回資料1(JAniCA)
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000684025.pdf