■実践的パース・レイアウト講座

「実践的パース・レイアウト講座」(第8回)アフターレポート

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2021年8月15日〜9月19日、『パース・レイアウト講座:実践編(2020年の録画)』がYouTubeでネット配信されました。そのレポートをお送りします。

残念ながら今年もコロナ禍のため、一連の『パース・レイアウト講座』はネット上で開催することになりました(カメラ講座は実技を伴うため中止と致しました)。

そこで、講座自体は去年の講座録画をネット配信しました。さらにその配信の間に寄せられた質問に、芦野先生に答えていただくQ&Aを開催するという2段階開催の予定でした。
ーが、基礎編と同じ様に質問がゼロという結果になったので、実践編でのQ&Aライブを中止と致しました。
会場を借りての講座だと、どの講座でも何かしら質問が出るものなのですが、ネット開催だと質問が寄せられにくくなる傾向があるように思います。
これは今後の検討課題です。

講師は『ファースト・スクワッド』『クロスアンジュ 天使と悪魔の輪舞』『D.Gray-man HALLOW』『聖闘士星矢: Knights of the Zodiac』の監督、芦野芳晴さん。
今年は録画で、『パース・レイアウト講座:実践編』の講師の出演をお願いしました。


課題のコンテと参考設定です(今年はQ&Aライブ中止で新たに写真撮影できなかったので、去年の写真を流用しています。御容赦下さい)。
このコンテが14カットあって、その1カットずつをラフレイアウトの形で描いてもらい、同時に芦野さんがその絵における三点透視から見た問題の解説をしてもらうーという内容です。


講座内ではこのように芦野さんが参考に描かれる手元の映像も配信しました。
会場で行う実践編の講座ではこのような視点のカメラは使っていなかったので、より具体的に参考になったのではと思います(この写真も去年のものを流用しています。御容赦下さい)。

<講座内容>

絵コンテ形式で14カットある課題を、受講者の方に1カットずつラフレイアウトの形に描いてもらい、同時に芦野さんがその絵における三点透視から見た問題の解説をしてもらうという内容です。
以下はそのカットの題名です。
1:部屋の中のバストショット
2:上の面が見える正六面体
3:部屋の中の4人
4:ローアングル、野外の二人とその他の人々
5:アオリの部屋の中の二人
6:ハイアングル、屋外の3人
7:フカンで部屋の中の4人
8:斜めアオリの倒れている人、見下ろしている人
9:斜めフカンの部屋の中の2人
10:正面の壁のドア
11:ビル屋上に立つ人。30階建てと5階建ての違い
12:テーブル上のカップのグラス
13:車のタイヤ
14:公園の地面など不定形なもの

皆様、長時間の講座、お疲れ様でした!、ありがとうございました!

※講座後、アンケートで寄せられた感想(抜粋です)

講座内容の感想

・円の描き方がとても勉強になりました。筒を描くように意識していただけでしたので、ELに近づくほど水平になる理屈、球体に円を描くのもよくわかっていなかったので受講して良かったです。また自然物不定形物を描くときも恥ずかしながらあるあるで描いておりましたので、気を付けたいです。
よくあるまずい例も併せて描いていただいたのは勉強になりました。
また村田さんの授業と合わせて、画面の中心を通る線が真っすぐなこと(カメラが水平であること)それをずらすと傾いた画面を作れると知れて、傾いたカットを描くのが難しいなと思っていたのが、理屈を知りますととても楽に画面が作れるなと思いました。
・アニメーターをやっている者です。レイアウトを描く上で「アイレベルを真ん中にしてはいけない理由」「円の描き方」が長年謎だったので、知る事ができて嬉しかったです。また、三点透視の意識の仕方、広角や望遠の違い等がとても勉強になりました。芦野さんの口調がとても穏やかで分かりやすくて良かったです。貴重なお時間をありがとうございました。
・気をつけたほうが良いこと、よくある間違いなど、とてもためになりました。今まで間違って書いていたことに気づきました。ありがとうございます。

講座録画のYouTubeでの開催についての感想

・やはりわからなければ繰り返し見れること、自分の都合に合わせて好きな時間に期間内であれば見れる、場所を問わない、とてもありがたいです。
・1.25倍速にして聞くと丁度良かったです。速度を調整する事ができるので個人的には有難いです。

自由記述

・転載していただいた小嶋さんのオービタル2のライブドローイングとても良かったです!
今まさにデジタルだと楽なのになというカットを作業しておりまして、デジタルの苦手意識から早く取り入れてオールデジタルにしたいという気持ちが強くなりました。
付けパンは何回読んでも理解するのが難しかったのですが、デジタルだと直感的でわかりやすかったです。
今は簡単にラフを描いて動きを確認したり、紙だと描きにくいLOをデジタルで描いて、それを紙に描き写すという変な使い方をしています。
あと原画作業はまだデジタルになれず鉛筆の方が速いですが、エフェクトは圧倒的にデジタルが楽でした。
どのように使っていらっしゃるのか、描いている人の手元を見れたことはとても良かったので、また手元が見れるような動画がありますと良いなと思いました。
また、あるあるでまずい例を出して頂く形式は良かったので、演出さん作監さん仕上げさん撮影さん他のセクションで困るよくあるタイムシート、原画不備や意味不明な指示も公開してくださるとありがたいです。
・アニメの技術についてアニメーターの方から直接お話を聞いて勉強する機会があまり無いのでいつも助かっています。ありがとうございます。
・LOよくある間違い集と正解みたいなものを見れたら嬉しいです。


皆様、アンケート・感想ありがとうございます!
芦野様、今回もありがとうございました!

☆参加者
無料正会員:5名、正会員:3名、一般:2名