■広報活動

NHK「クローズアップ現代+」に入江代表が出演いたしました

ツイート


 JAniCAの入江泰浩代表理事が、2017年6月7日(水)22時より放送された NHK「クローズアップ現代+」に出演いたしました。

■放送情報■
日時:2017年6月7日(水)夜22時〜22時30分
放送局:NHK総合
番組名:クローズアップ現代+
サブタイトル:2兆円↑アニメ産業 加速する“ブラック労働”
URL:http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3987/ (全文が掲載されています)

 番組ではアニメ制作現場の実情を取り上げつつ、その原因と解決策を探り、 今後、日本の手描きアニメを含めた日本のアニメ産業、 文化を守り育てていくためには何が必要か、国や業界、アニメーターなど それぞれがどのように変わっていく必要があるかといった構成で、 入江代表はスタジオゲストとして生出演し、意見を述べました。
 JAniCAは取材対応の当初から、「制作現場の厳しい現実を取り上げて いただくことは必要。しかし、単なる悲惨物語となってしまっては 業界を目指す若者の妨げとなるし、また制作現場できちんと働き、 活躍している人々も少なからず居るという一方の現実から目を背けることにもなる。」 など、一方的でバランスを欠いた番組となることのないよう、 対応を続けてまいりました。
 非常に複雑で様々な原因が絡み合い、解決することの難しい課題ですが、 今回の番組がアニメーターや演出に限らず、 アニメ制作現場で働く方々の仕事と暮らしが 少しでも早く良い方向に向かうきっかけとなるよう、 引き続き努めて参ります。ご理解・ご協力をいただきますよう、 よろしくお願いいたします。

■発言要旨■ ※Web掲載に際して再構成しています。
現状の問題点
(1)現在のクオリティーを維持するための制作予算が圧倒的に足りない。
(2)作品がヒットした場合でも、二次使用料に関する印税のような事後報酬がアニメーターや演出には支払われない(脚本家や、印税交渉している監督には分配されています)。
補足注:
1.日本映画監督協会に所属している監督の場合には、団体協約に基づき、原則として監督印税が支払われることとされている。ただし、発注者側が知っていながら敢えて無視したり、そもそも無知で知らなかったりする場合には、協会に所属している監督であっても印税支払いの契約が行われない場合がある。
2.上記協会に所属していない監督であっても、交渉によって印税支払いを受ける契約を締結できている場合がある。

現場から、制作費や賃金を上げてもらう交渉を上にすることはできないのか?
交渉のようなことは、アニメーターは実は苦手です。長年、絵を描くことやアニメーションを作ることに専念してきたため、制作会社もアニメーターも「交渉する」経験が不足しています。

予算を増やすのも難しい?
全員一致が原則という「製作委員会」のシステム上、1社の要望だけで増やすのは難しいのが現状。予算を増やしたいと言っても、ほかの会社が納得してくれないと対応は難しい。

厳しい状況を変えるためには、制作会社の努力も必要?
アニメーターや演出を支える制作会社は、作品の制作費以外の売り上げにも手を伸ばす取り組み(例:カフェ運営やグッズ展開など)を自ら行うべき。

これから、アニメーションを作り続けていくためにやるべきこと
(1)「クールジャパン」を推進している『国』には、労働時間や賃金などで適正な作り方をしている『健全な制作会社』に税制面での優遇を行うこと(カナダやイギリスなど諸外国で先例あり)
(2)NHKを含めたテレビ局は、放送コンテンツとしてアニメーションをこれからも作り続けていくことが決まっているのであれば、制作費を倍にしてアニメーター(補足注:『アニメ制作従事者』の意味)が安心して作品を作ることができる環境を作っていただくこと

■参考資料■
資料名:「アニメ産業レポート2016」サマリー版
発行者:一般社団法人日本動画協会
発行年:2016年(平成28年)10月
日本のアニメ市場(業界・産業)の推移、テレビアニメタイトル数など

資料名:平成27年度コンテンツ産業強化対策支援事業(アニメ下請ガイドラインフォローアップ等調査事業) (pdf)
発行者:経済産業省/三菱UFJリサーチ&コンサルティング
発行年:2015年(平成27年)2月29日
アニメーション産業の構造的な課題(p.30〜31)

資料名:アニメーション制作者実態調査 報告書2015 (pdf)
発行者:公益財団法人日本芸能実演家団体協議会/一般社団法人日本アニメーター・演出協会
発行年:2015年(平成27年)3月31日
就業形態(社員かフリーランスかなど/p.34)、平均年収(各職種別/p.103)、主な就業場所(p.38)、平均作業時間(p.39〜40)、平均休日(p.41)、回答者の自由記述(p.64〜100)

資料名:アニメーション制作者実態調査 報告書2015 概要 (pdf)
発行者:藤原正仁(専修大学)/一般社団法人日本アニメーター・演出協会
発行年:2015年(平成27年)10月2日
職種別年収・年齢・勤続年数(p.13)