■人体構造美術解析画法講座

第4回「人体構造美術解析画法講座」アフターレポート

8月26日(日)に武蔵野市民会館にて行われました、人体構造美術解析画法講座の模様です。


参加者のスケッチとメモ



午後1時30分〜4時30分

 今回は、講師とモデルをyuさんにお願いし、筋肉を鍛えている男性モデルも使い、「男女の性差」ついての講座をお願いしました。
 観て、触って、スケッチ、試みを今回も行いました。
 理学療法士としての、知識と経験からの、分かり易い講義、質問にも丁寧に答えてもらえて、好評でした。

 特に、脂肪についてはなかなか学ぶ機会が無かったので、貴重な学習が出来ました。

 今回もキャンセルが多かったのは残念です。
 キャンセル待ちで、参加希望の人を入れることができました。

文責・高見政良



<目的>
骨・皮下脂肪・筋肉から男女の性差を見る

<アプローチ>
・座学にて人体構造を知識として理解する
・実際にスケッチ、モデルの筋肉に触れることで五感的な側面からより理解を深める

<講座概要>
創作活動において最も重要とされる“外側から見える構造”として、骨・皮下脂肪・筋肉の3つに大別して進めました。

1. 骨について
よくニュースで耳にする”腐敗した白骨遺体”でも、骨の特徴を見るだけで性別や大まかな年齢が分かってしまうほど骨格というのは性差が現れます。男性ホルモン・女性ホルモンの働きが一番活発に働きかける部位が”肩周り”と“骨盤周り”であり、その2つの部位が最も性差が出る部位となります。
ただ、モデルの仕事を通じて「”肩周り”と“骨盤周り”が男女で違うという事は分かるが、実際どのように描けばいいのかがわからない」という質問を多くいただきます。男女共通の部位の表現は一般的に難しい傾向があるため、男女の違いを付けて表現するには、まずは構造的理解をする必要があります。

上記前提に基づき、特に肩甲帯と骨盤部分には時間をかけ、それぞれの骨が相互にどのように関係し、どのように外観に影響するのかを確かめるべく、男女モデルを交互にしっかりと触れていただき、比較をしてもらいました。性別によって外観が違ってくる理由としては、パーツ(肩甲骨と鎖骨、仙骨と脊柱など)が接続する角度に違いがあるため、そこに注目していただきました。

また、基本的な骨の構造として知っていながらも、「yuさんよりも男性モデルのほうが、骨が華奢な印象がある」との意見が出たりするなど、性差の中でも骨レベルでの個人差も大いに認められるという事も一緒に実感して頂けたかと思います。

2. 皮下脂肪について
男女の印象についてよく「男性はゴツゴツしており、女性はなめらか」といった表現をよく聞きますが、それは多くがこの皮下脂肪について説明が付きます。
第二次性徴によって女性に付きやすくなる皮下脂肪は、男女によって付きやすい場所に差があります。皮下脂肪は、筋肉に対しての触れ方と違って指でつまむことが出来ますので筋肉の収縮⇔弛緩を繰り返しながら、全身の皮下脂肪の分布について確かめました。

また、今回は成人男女の比較をしましたが、年齢によって変わってくる皮下脂肪の現れ方、特に女性が閉経を迎えると男女間での体型の差異があまり感じられなくなってくる理由についても触れました。

3. 筋肉について
男女間での筋肉の違いは主に以下の3つとなります。
・全体重における筋肉量の違い
・筋線維の分布の違い
・ホルモンの影響

これらの特徴を踏まえて、トレーニングを行った際に男女間で筋肉に現れる変化や、皮下脂肪との関係、また実際筋肉を収縮⇔弛緩させた際の差を感じてもらい、それも男女間で触感がどう違うのか確かめて頂きました。上肢、体幹、下肢とも実施しています。

終わりには時間を取って短時間のスケッチを行いましたが、みなさんが見たいと思っているところを見てほしい!と思い、リクエストを仰ぎました。
リクエストの中で多かったのは、動きを何度も繰り返しているところを見たいというものでした。腕を上げる⇔下げる、体幹を左右にねじる、腹筋の収縮⇔弛緩の繰り返しなどを行いました。
普段は止まったモデルをスケッチすることが多いと思いますが、ムービングにしても同じ動作の繰り返しと言うのはあまり描かないのではないかなと思いますので、このようなリクエストが受講者のみなさまから出たという事はとても嬉しいことでした。

<総括>
なんとなく、男性/女性の身体はこうだったかな?と分かっていても明確にどこに違いがあり、外観に見えているのかを理解されている方はほぼいらっしゃらなかったように思います。
人体の内部構造の理解をすることで、外観として表れる特徴や動作を理解し、アニメーターの皆様が実際に表現することができる、ということを意識し、美術解剖学の観点から講義をしました。
今回は構造に加え、性差について1つずつ、知る・見る・触る・描く、という一連の作業において様々な角度から人体を知っていただく事が出来ました。
また、4回目となった今回は講座中に随分活発な意見交換が出来ました。その場で疑問に思った事をすぐに聞いて下さる方が沢山いらっしゃったため、私も受講者の方の理解を把握しながら進めることが出来大変助かりました。

次回は最終回となります。休憩時間にまた受講者の方からの質問など受け付けたいと思います。

美術モデル/理学療法士yu


参加者の内訳;無料正会員10名、賛助会員4名、一般4名