■パース・レイアウト講座 基礎編

「パース・レイアウト講座 基礎編(第7回)」アフターレポート

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今年の『パース・レイアウト講座 基礎編』は、コロナ禍の影響を鑑みて、昨年の講座の録画を7/11〜8/15までネット公開する形で開催されました。『パースの基礎講座』として始まった頃から数えると、今年で7年目になります。
さらに今年は、8/1に追加講座とQ&AをZOOMによるリモート開催致しました。
そのレポートです。


8/1の追加講座とQ&Aのリモート映像はこのような機材でお届けしております。


同じ機材の裏側の様子です。
今回はプロの方にも御協力いただいて配信しております。
JAniCA事務所をスタジオにしています。


講師は『翠星のガルガンティア』『鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』『A.I.C.O. Incarnation』の監督、村田和也さん。建築系学科出身で、普段からもスタジオ内でパースの講座をされているという事で、今回も講座をお願いしました。今年もお世話になります。

ここからは追加講座で使われた画像を抜粋してお見せします。
これはパースをつけた建物の描き方の解説です。
作画しつつ解説がなされたのですが、その最後の状態の図です。


次に、キャラが手前と奥に立っている、やや俯瞰の図です。
これも解説が全てなされた最後の状態の図です。


もう一つ、キャラが階段の上の階と途中の踊り場に立っている状態の図です。
これも解説が全てなされた最後の状態の図です。
通常の部屋などのパースの他に『階段の傾きの消失点』があることがポイントで、またキャラの立っている位置の違いが明確に設計されていることがわかると思います。
(以上の3点の絵は全て村田さんがprocreateで作画されました)


◯講座の構成

・カメラによる解説
・距離とサイズの関係
・斜投影図、1、2、3点透視図
・45°対角線
・GoogleMapを使った1、2、3点透視図の解説
・画角の解説
・建物の平面図からパース図を描き起こす
・部屋の平面図からパース図を描き起こす
・教室のパース図
・階段のパース図

◯追加講座の構成

・建物の平面図からパース図を描き起こす(追加)
・部屋の平面図からパース図を描き起こす(追加)
・教室のパース図(追加)
・階段のパース図(追加)

○講座の感想(抜粋)

・大変わかりやすく、会社でも「経験だよ」とか、「パース感覚はだんだんついてくるよ」という風にしか教わらなかった曖昧な部分も、一つ一つ丁寧に考えていけば出せるんだということがわかり、とてもためになりました。今日の追加講義は特に、コンテからレイアウトを起こすときの手探り感を解消できそうでとてもよかったです。次にレイアウト描くときに役立てたいと思います。中身の濃い講座をこんなに安く受講させていただき、ありがとうございました。
・スタジオでレイアウトを先輩に見てもらってアドバイスをもらう形式でしたが、具体的に何処がダメなのか何が分かってないのか分からず、結局独学で本を読んだりTwitterで情報収集しておりました。
講師の村田さんはあにめのたね演出講座で知りとても良かった講座だったので、Twitterでこの講座を知りまして受講しました。
分かりやすい解説と図を使ってくださるので本当にありがたいです。期間内何度も見返します。
・内容は良いのですが今なにをしているかを常に提示して区切ってくださるとわかりやすかったです。
・実際に描いたり動かしながら説明して頂けたので、パースを解説した書籍などで分かりにくかったところが読み解きやすくなりました。
ありがとうございました。
・今後の糧になる大変素晴らしい講座でした。
アニメ業界内での教育が十分にされてない状況で本講座のような基礎を伝える事は非常に意義のある事だと感じました。
ありがとうございました。
・大変勉強になりました!
・アニメのたねやアニメ私塾さんの動画である程度カメラの知識をあらかじめ知っていたので、何度か巻き戻したり繰り返し見直してですが、話についていけました。理解できるととても気持ちが良いです。
均等に等分する方法や、3点透視図の立体にすると3角錐になる図が理解出来た時、パースに対する苦手意識から興味に変わりました。ルーミス先生の本は読んでも理解し辛かったのですが、動画と図で丁寧に解説して頂けたので理解することが出来ました。

◯ZoomとYouTubeによるリモート開催の感想(抜粋)

・YouTubeの方が(Zoomよりも)やはり見やすかったので、次回からはYouTubeだけでも良いのではないかと思いました。
・何度も見返せること、本だと図形の作成が分かりにくいので動画だとわかりやすいです。
資料もたくさん用意していただけるのでとてもありがたいです。
ズーム講座はまだ録画公開を待っている状態なので視聴できていません。
・画面いっぱいに説明の動画が映るので見やすかったです
・今回、YouTubeからZoomという内容でしたのでコロナ渦で移動のできない状況でもこのようにためになる講座を受けられるのは大変ありがたかったです。
今後もぜひオンラインでの講座も定期的に行って頂きたいと思いました。
・自分のタイミングで視聴ができ、ありがたかったです。
・追加講座はより実践的な講座で良かったです。特に難しい階段のレイアウトの取り方は勉強になりました。
自分のスタジオはしっかりした新人研修がなく、数人の先輩に分からない所を聞いたりチェックしてもらう方式でしたが、担当してもらう人によっては何処が駄目なのか理解しづらく、また何度も聞きにいったりしづらいので、ほとんど独学になり、このような講座はとてもありがたいです。

◯自由記述

・以前のあにめのたねの動画講座とても良かったです。
特に神志那さんと村田さんと後藤さんの講座は何度も見返しました。
神志那さんのカメラ、レンズによる見え方でレイアウトをどうとればいいのかが
自分の中でうまくいかなかったことがわかり、レイアウトを描くのが楽になりました。
村田さんの講座ではコンテの意図をくみ取るといくことを意識できるようになりました。
後藤さんの講座は原画を入れていくポイントが分かりやすく、駒ウチの操作、見せたいところを長くみせる、など意識するようになりました。
自分のいるスタジオではもう教わることが限りなく少ないので、どこに住んでいても視聴できるウェブ講座はありがたいです。
またウェブ講座参加したいと思います。
ササユリさんやWITさんの研修がとても気になるのですが、現状家を借りれるかわからないので都内に移住することが難しく、受講したくても条件が満たせずに受けられないのが悔しいです。
私は第二原画からスタートしたのでこのような講座がとても気になるのですが、地方住みには辛いです。なんとかwebでも受講できるような講座が欲しいです。
デジタルを早く取り入れたいのですが、どうしてももどかしい点などがあり、
クリスタで動きをとりあえず見る程度に使用しているくらいです。
つい最近小嶋さんが公開されていたレヴォルトさんのワークフローがとても気になりますので、こちらも情報共有されたらいいなと思っております。
ご検討よろしくお願い致します。
・アニメ業界に関してですが、最近、制作の方でも正しいカット袋の記入ができていない、正しい順序での制作の工程や必要な素材を知らない、作画でも現場での教育がなされないため撮影指示やクミやBOOKなどの素材への指示を知らないまま作業をしてそのツケを演出や作画監督が払い現場がより疲弊するという問題がおきていますので、そういった基本的な知識を教える場があっても良いのではないかと思います。
できれば幅広く知ってもらうため、YouTubeなどで公開された方が良いかと思います。
また、仕上げや撮影などから作画やシートなどでこんな指示をされると困るなどの座談会など、現在各ポジションで後世にあまり引き継ぎができていない技術や、デジタル作画が増えてきている中で必要になった指示や不要になったものなどのお話も聞いてみたいです。
ぜひ、宜しくお願い致します。
・無責任なスタジオが無くなりますように願います。
対人の講座が良いのは分かりますが、現地に希望者全てが行けるわけではないので、動画講座はとてもありがたいです。


アンケートからの抜粋、以上です。
皆様、長時間の受講とその感想、ありがとうございました!


今年は『昨年の講座録画のネット公開』と8/1に『追加講座+Q&A』を開催したのですが、Q&Aの質問の方は集まりませんでしたので、8/1は追加講座がほぼ時間いっぱい行われました。
アンケートによると、ネット開催は概ね御好評を頂けたと感じていますが、ネットではちょっとしたことの質問が難しくなるのかもしれないと思いました。
これは今後の課題に致したいと思います。

☆参加 正会員:1名、無料正会員:10名、準会員:1名、一般:14名、 計26名