■レイアウトの歴史講座

「パース・レイアウト講座 歴史編(第6回)」アフターレポート

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残暑厳しい8月18日、『パース・レイアウト講座 歴史編ー笹木信作』が開催されました。
(本講座は去年の『レイアウトの歴史講座』のタイトルが一新されたものです)
そのアフターレポートをお送りします。



場所は今年も三鷹産業プラザ。
駅近で慣れた場所で、安心です。
今年はなんと『三鷹阿波踊り大会』とかち合ってしまって、お祭の空気の中での開催となりました。



場所も毎度お馴染みの703号室です。
設備設定も滞りなく完了しました。助かります!



配布された資料です。
今回の講座の参考映像の説明、平面構成・キャラクター定規などの解説、その他参考資料と、
フロア案内図、JAniCAチラシ、下請法ガイドライン概要をお渡ししました。



今回の事前質問に「アニメのレイアウトに影響を与えたであろう実写作品が知りたいです」
というものがあったので、それに答えて書き出したものです。
(映画通の方からは「ベタすぎる」とか「他にも重要なのがあるだろう」等々あると思いますが、
あくまで私個人の選出ですので御容赦願います)



今回も初心者の方からベテランさんまで幅広い層の方々が受講されました。
その受講者の方に、スクリーンに映される参考映像を見てもらって、
レイアウトの歴史の要点を解説して行くという形式の講座です。



参考映像鑑賞とその解説の後は、Wボードによるレイアウトの基礎的なことの解説です。
ここでは平面構成の『並びを乱す』事を説明しています。



受講者の方それぞれ、ポイントとなるところで熱心にメモを取られていました。
講座をする側として本当に有り難いです。

今回も講座が終わった後、非常に熱心に質問される方が多く、
こちらも思いつく限り説明させてもらいました。
長時間の講座、皆様、ありがとうございました!

◯講座の内容

参考映像を見ていただいて、それに交えて『レイアウトの歴史』の解説を入れる形式です。
限られた時間での講座なので、主にレイアウトの空間描写の発達の点に出来るだけ絞って映像を選択して、解説しました。
後半は配布した資料を元に、『平面構成』『キャラクター定規から作る空間』をザックリと解説しました。

※アンケートで寄せられた感想(抜粋)

・事前の資料で大よその疑問が解決できました。 ・歴史的文脈でアニメレイアウトを改めて追って、自分の中で仕事する上でのロジックが固まっていったように思う。
・初期のアニメーションから最近のアニメーションまでの変化を客観的な視点で話していただけたため勉強になりました。
・白蛇伝から現代までの作品を「レイアウト」という点に絞って変化を追う見方をしたのは初めてで、非常に興味深かったです。
・(事前の資料で)知りたい内容だったので理解が深まり、予習として役に立ちました。
・分かりやすく、丁寧な説明で大変ありがたかったです。ありがとうございました。時間が足りなかったので少し残念でした…!もっと聞きたかったです。
・内容は大変よかったのですが声がききとりにくくて(小さい、滑舌)少しシンドかった(集中できなかった)です。参考映像など具体的で大変わかりやすかったです。感謝!!!!
・インボイス制度と老後と15年後のアニメ業界について心配してます。いつもありがとうございます。
・現在までの歴史を俯瞰できてよかった。レイアウトを取捨選択する時の引き出しに役に立つと思った。また、過去の名作にも興味がわいたので見ようと思った。
・資料、解説が豊富で勉強になった。
・各社、クリエイターの広い範囲で情報共有がされるといいと思う。新人として最低知っておくべき情報、技術、環境等。また、アニメ業界を目指す方が情報を集めやすくなるといいと思う。
・(事前の資料は)量が多すぎて読めない。10ページ以内にまとめて欲しい。
・マイクを途中から使わなくなったので、何を言っているか聞こえなかった。レジュメのどれを元に説明しているか、わからなかった。2時間くらいに縮めて欲しい。三鷹は遠い、新宿とか利便の良い場所にして欲しい。早口で、声が小さく、滑舌が良くなく、どもり気味で、3分の2くらい聞きとれなかった。スピーカーを後ろの席近くにも追加して欲しい。
・私は準会員で3DCGアニメ関係者となりますが、昨今は絵を描く人とプログラムを作る人との境界があいまいになってきております。そのため、アニメ・ゲームに関わるプログラマーも準会員に含めて頂けますと、より深い交流と幅が広がると思います。ご検討願います。
・映像を見ながら歴史を見ていける事がありがたかったです。先人の方々の技術のすばらしさをあらためて見る事ができたと思います。
・アニメ会社に入ってまだ数ヶ月なので新しく学ぶことばかりで非常に勉強になった。
・過去のLOからもっと細かくパースのとらえ方をきいてみたかったですが、おもしろかったです。それから講師の方の声がきこえにくかったのでもう少しはっきりしゃべってほしい。
・自分の知らない知識ばかりで、とても良かった。
・動画を1度見てからの解説だったが、初回で見ながら解説しつつ見る、でも良かったかもしれない。その分、最後のホワイトボードを使った解説を長くして欲しかった思いもあります。ただ、歴史を追いながら見る映像はとても楽しかったです。
・笹木さんの声がこもった声質なので聞き取りにくかったです。あと会場がすごく寒かったです。専門学校で学んだこととかぶることも多く、もっと踏み込んで難しい話でも良かったです。(今時、絵の学校か何かを経ず業界に入る人は少ないと思うので、基礎知識的な事は飛ばしても良いのでは)
・元請けに居ましたが上司や経営者に労働基準法の知識がなさすぎます。労基から社員に未払いの残業代を出せと一度言われ、出したにも関わらず、未だに雇用形態はその前までのままでした。各会社にスタッフを会社に来させて拘束しているにも関わらず業務委託です、は法律的に通らないと分かって頂かないと、出来高の動画マンは生きて行けません。また私のいた会社は雇用契約書がどのような賃金になるのかなどの話も入社日からずっと全くありませんでした。社労士を雇うなど、各会社が法律を守り経営することを望みます。あとアニメーターの労働組合も作ってほしいです。
・テキスト後半部分の解説もほしかった。
・レイアウトの歴史という視点でアニメ史で見たときに新鮮な見方が出来ました。

◯講座を振り返って

今回、前回の反省を生かしてマイクを準備してもらったのは良かったのですが、操作ミスでボリュームを絞った状態でマイクを使ってしまったり、そもそも私の声の滑舌や早口が聞き取りづらかったという御意見を多数いただいたりする結果になってしました。
受講者の方には大変申し訳ありませんでした。前回にも出ていた『もっとスマートな説明の方が分かりやすいのでは』という御意見を生かせませんでした。深く反省しております。
一方、それとは別に、今回は講座内容に強く反応される受講者の方も複数人おられて、いつにない手応えがあった講座でもありました。
みなさんそれぞれの声を参考に生かして、より良い講座を目指したいと思います。
感想、御意見ありがとうございました!



☆参加 無料正会員:8名、準会員:1名、一般:11名

※本講座が使用する映像や資料は著作権法に準拠し、引用の範囲で素材を使わせて頂いています。