■レイアウト講座

「JAniCAレイアウト講座」(第3回/2016年)開催のお知らせ

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企画担当:笹木信作 (JAniCA理事/演出・アニメーター)

 今年度もJAniCAでは、主に新人原画の方に向けてレイアウトの空間作りを解説する講座、 『レイアウトの歴史講座』『パースの基礎講座』『レイアウトのためのカメラ講座』 『実践的パース・レイアウト講座』『もっとパースを深く知りたい人のための透視図法講座』を 9月、10月、11月、12月、明けて1月と、連続して開講いたします。

●一連の講座の成り立ち
 この一連の講座の成り立ちとを少し説明します。
 数年前より「かつてJAniCAで行われていたパース講座を改めて行って欲しい」 という要望が理事会に寄せられていました。
 理事の間でも検討がなされていたのですが、「アニメーターに必要なパース講座とは何か?」 「パースの知識は重要だが果たしてそれでレイアウトの講座として成立するのか?」など疑問が出ました。
 その疑問に応じる形で、『レイアウトの歴史講座』『レイアウトのためのカメラ講座』 『実践的パース講座』の3つで講座をスタートさせ、そこからさらなる要望に応えて 『パースの基礎講座』『もっとパースが深く知りたい人のための透視図法講座』を開講する運びとなった訳です。

 各講座は独立した内容のため、それぞれ単独での受講もOKですが、 連続して受講していただくと、よりレイアウトの空間作りに関する 理解が深まるのではと思います。

 ちなみに昨年度この一連の講座を執行して、私自身にも改めてレイアウトの勉強になり、 『アニメのレイアウトの特殊性を学問にする事』に大いに手応えを感じる事ができました。
 もちろんレイアウトがうまくなるには実際に量を描く事は欠かせませんが、 この『手応え』を是非受講者の皆様へ伝えたいと思っています。
 (各講座では事前に質問も受け付けています。また今までの事前の質疑応答も公開しますのでそちらも是非御覧下さい)

 次に各講座の説明をします。


●レイアウトの歴史講座
<2016/9/25,14:00〜:三鷹産業プラザ>

 →詳細・お申込はこちらのページから
 →アフターレポートはこちらのページから
 →講座内で使用した資料はこちらから(pdf形式)

 まずは9月開催の『レイアウトの歴史講座』です。講師は私、笹木信作です。
 この講座は、以後に開講する講座を補うための講座です。
 『レイアウト講座』として複数の講座を開くのには上に書いた様な理由があります。 私達の「アニメのレイアウト」には、残念ながら客観的に統一された技術論が今のところありません。 また、時代や作品によってレイアウトの傾向も変わります。

 アニメ以外の技術論として取り上げ得るのが、「カメラ(レンズ)」の知識と 「パース(透視図法)」の知識です。 これらは、アニメ以外の世界で既に構築された技術で、 現在のアニメのレイアウトにとって重要な知識です。
 しかし、「レンズ」や「パース」が、「アニメ」に最初から内包されていた訳ではありません。 それらを紆余曲折しつつ取り入れてきて「アニメのレイアウトってこうじゃないか…」と様々な人が探り 『独自に進化した歴史』があるわけです。
 そこで、その『独自の進化をしたアニメのレイアウトの歴史』を、資料映像とともに解説し、 ザックリ追うことで、新人原画さんに向けてのヒントや手立てにしたいと考え、 この『レイアウトの歴史講座』を開く事にしました。
 特に伝えたいのは、パースやカメラが強く意識される前に醸成された 『キャラクターのための空間』の歴史とその考え方です。
 (この『キャラクターのための空間』に関しては、幾つかの方法も解説します)
 アニメーションではその世界にあった空間が求められますが、 実際の人間像ではない『キャラクター』というものが存在する空間とはどういうものか…それが追求されて来たのを前半とし、 より実在感が求められる世界を描くためにパースやカメラを意識したレイアウトが求められていくのを後半として、 『レイアウトの歴史』を解説していきたいと思います。

 「レイアウトがどうも良く解らない」「『パースをキチッと取っただけでは良いレイアウトにならない』と言われて、 よけいに混乱する」等と 思っている方々、是非御参加下さい!


●パースの基礎講座 <2016/10/23,14:00〜:三鷹産業プラザ(予定)>

 →詳細・お申込はこちらのページから
 →アフターレポートはこちらのページから
 →講座内で使用した資料はこちらから(pdf形式)

 第一回のレイアウト講座では『歴史講座』、『カメラ講座』、『実践的パース講座』を開催しましたが、 その際「パースの基礎を学びたい」という要望を幾つか頂きました。
 開催する側としてもそこは気になっていた所で、「次の開催には何とか実施したい」と考えて講師の方を 探していたのですが、 幸い日頃から某社内で新人原画向けに講習されている村田和也さんに引き受けて いただけることになりました。
 村田さんは、伝統的なアニメ手法を踏まえた上で、パース、カメラを意識した画面作りの理論を、 独自に構築されてきた監督です。(私も知らなかった理論の作図を拝見しました!)
 講座ではその理論を元に作成された図表の解説を中心に、アニメーターに向いたパースの講座をしていただきます。 (メモと筆記用具、10枚位の動画用紙かクロッキー帳等の紙、あと定規等が必要な講座になります)
 パースの基礎講座と言っても一般のパース解説書に描かれている内容とはやや違って、 『光学理論的に正確な空間を求める作品のための、かなり突っ込んだ内容の、パースの基礎講座』です。
 アニメのレイアウトのため、パースの基礎的な知識を学びたい方、ぜひ御参加下さい!

(注)今年度の講座、村田さんは御多忙のため不在です。ですので前回講座の様子をブルーレイで上映し、 私(笹木)が解説して補間する形式を取らせて頂きます。御了承下さい。


●レイアウトのためのカメラ講座
<2016/11/19,10:30/14:00〜:キヤノンマーケティングジャパン株式会社 本社>

 →詳細・お申込はこちらのページから
 →アフターレポートはこちらのページから

 この講座はJAniCAが平成22年〜25年に文化庁より受託した「若手アニメーター等人材育成事業」内にて開講し、 好評を得た「カメラ講座」が元になっています。本年度も一連のレイアウト講座と連動し 「レイアウトのためのカメラ講座」を開催いたします。

 今日のアニメのレイアウトでは『広角』『望遠』『焦点距離』等、 カメラ・レンズの知識が求められる場面が多々あります。 しかしこのカメラ・レンズの知識をきちんと学ばないまま 『何となくこれくらい』で仕事をしている方が多いのではないでしょうか。
(『何となく』ですごい絵を描かれる方も時にいらっしゃるのがこの世界でもありますが・・・)

 この講座ではキヤノンEOS学園インストラクターの谷尻正弥さんに講師をお願いしています。 つまりアニメの現場の方ではない方にお願いして、客観的にカメラの知識を教えて頂く講座です。
 また、この講座では、受講者の方に実際にAPS一眼レフカメラを操作して、風景を撮影してもらいます。 カメラのレンズを通すとどのような見え方の変化があるか、実感してもらおうという狙いです。
 カメラの知識を持たない人にも、本格的なカメラを普段除いた事が無い方にとっても、貴重な機会になると思います。

 レイアウトのため、カメラ(レンズ)の知識を学びたい方、ぜひ御参加下さい!


●実践的パース・レイアウト講座
<2016/12/18,12:00〜:三鷹ネットワーク大学>

 →詳細・お申込はこちらのページから
 →アフターレポートはこちらのページから
 →講座後に追加配布した資料はこちらから(pdf形式)

 この講座もJAniCAが平成22年〜25年に文化庁より受託した「若手アニメーター等人材育成事業」内にて開講し、 好評を得た「レイアウト講座」が元になっています。

 講師の芦野芳晴さんは歴史講座で言うと、3点透視のパース・レンズの意識を 実作業の上で追求される事を考えられているタイプの監督であり、アニメーターの方です。 平面的なアニメと違って、3点透視のパース・レンズを重視して画面で考えていく上でどういう事が起こるか、 どのようになるはずかという事を解説して頂く講座になります。
 具体的には、受講者の方にいくつかの課題を出しラフレイアウトを描いてもらって、 それについて芦野さんがありがちな問題点や押さえるべきポイントを解説していくというワークショップ形式になります。
 3点パースを厳密に考えると、アニメでは『パース的には正確ではないレイアウト』が多々見かける訳ですが、 知らずに間違っているのと知っていてあえて描くのとは大きな違いがあります。 そこまで厳密でない作品を描くとしてもこの点を学んでおく事は非常に意味があると思います。

 3点透視のパースを意識したレイアウトの実践的な知識を学びたい方、ぜひ御参加下さい!


●もっとパースについて知りたい人のための透視図法講座
<2017/1/22,13:30〜:三鷹産業プラザ>

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 JAniCAの『レイアウト講座』は、主に初心者向けにそれぞれの講座を開催してきました。 しかし今回は、「今以上にパースについてもっと踏み込んだ勉強をしたい」という方に向けた講座になります。

 この講座は「原画やレイアウトを描き始めてしばらく経つけれど、 却ってパースについて判らないことが生まれてくるんだよなあ・・・」と思っているような、 少し原画を経験したアニメーター向けの内容をイメージしています。 そこで本講座ではアニメーション業界の中からでなく、 東京デザイナー学院でもパースの授業をされている湯浅誠さんに講師をお願いしました。 湯浅さんは建築パースの制作会社に務めた経験や小学館でマンガの連載経験もある方で、 現在は『マンガ・アニメで必要になる描き方』を理解した上で、『パースの専門家』から見た授業をされています。 アニメ業界の外から、客観的にパースの事を深く教えてもらうには最適ではないかと考え、講座をお願いしました。

 さらに踏み込んだ透視図法を知りたい皆さん、パースの事で日頃ため込んでいる疑問を湯浅さんに投げかけてみませんか? 申込みの際には質問も受付けますので、ぜひ受講してみて下さい!